2000年(平成12年) 科別出現率グラフ

アゲハチョウ科の出現率
アオスジアゲハ: 3月頃から活発化し、4月−6月にかけて爆発的に増える。その後減少していく。 越冬態が成虫以外である可能性を示す?。
シロオビアゲハ: 冬の寒い時期を除いて高水準で推移。
ジャコウアゲハ:冬から初夏にかけて多く、夏以降減少。 ナガサキアゲハ:春夏と冬前に多く出てくる山が二つできるパターン。 ベニモンアゲハ:現時点では偶発的?。出現パターンが安定してくれば、土着の可能性がでてくるかも。 モンキアゲハ:6月に1例のみ確認。
シジミチョウ科の出現率
ヤマトシジミ:7、8、9月が100%。 シロオビアゲハのパターンに似る。他のシジミチョウは、低水準。生息環境が限定的なことがこの結果に現れたような気がします。
ウラナミ、アマミウラナミ、シルビア等、生息可能な環境でじっくり探せばもっと見つかるかも。体型がかなり小さいことも、見落としの原因に成りうると思われる。
タイワンクロボシ
は、食草との関係があるのかもしれない。
シロチョウ科の出現率
モンシロチョウ:大発生する年と、そうでない年とが顕著に出る。2000年は、大発生に近い状態。 8月以降は0%。
キチョウ: 6月に1度ピークがあり、8、9月に減って11月に2度目のピークが出る典型的なパターン。
ツマベニチョウ:2月の寒い時期を除いておおむね40%台で推移。 ウスキシロチョウ: 一時期に比べて減少傾向にある?。 ウラナミシロチョウ:夏から秋にかけて低水準で推移。 ナミエシロチョウ、モンキチョウ:の低水準での推移は、観察者の同定力不足の可能性大。
マダラチョウ科の出現率
アサギマダラ:秋に渡来し、世代交代しつつ6月頃まで見られる。7〜9月は0%。
オオゴマダラ
:10月に0%に落ちたが、1年を通して、30〜40%台で推移。島内での普通種の地位を確立。
ツマムラサキマダラ : 2月が0%、6月100%、8月に減って秋にはやや回復。このパターンは安定しているので、島内での普通種の地位を確立したと思われる。 カバマダラ:食草との関係(?)で低水準。 リュウキュウアサギマダラ:4月〜8月に少数、出現場所は限定的。食草を増やせば、増える可能性あり?。
 
 
タテハチョウ科・ジャノメチョウ科(ウスイロコノマチョウ)の出現率
アカタテハ、イシガケチョウ、ツマグロヒョウモン、リュウキュウミスジ: 島内での普通種のほとんどが、4月から7月にかけて増え、8月9月は減少し、10月ないし11月に再び増える典型的なパターンを形成している。
それに対しタテハモドキだけは、6月に出現して9月に最大になり、11月12月に減っていく逆のパターンが見られる。暑いのが好きなんでしょうか。 リュウキュウムラサ: 6月に1例、8月に4例確認された。
セセリチョウ科の出現率
 なんとも淋しいグラフになってしまった。これはけっしてセセリを軽視したわけではない。オオシロモンセセリ、オキナワビロードセセリ、クロボシセセリといった、遠目でも分かる特徴のあるヤツ以外は、捕まえてよく見ないと素人には同定するのは難しい。前述の特徴のある連中以外は、すべてチャバネセセリと区別できないので、結果セセリS.P.(セセリ類)として処理され、種別のデータとしては上がってこないのです。このへん、専門家の助言が欲しいところです。
蛾類の出現率
キオビエダシャク:前年の99年は少なく、5月から7月にかけて少数出た後、8月9月はほとんど出ず、10月から再び出始めて、翌2000年の3月から7月まで60%台を維持し、8月以降は、ほとんど見られなくなった。
モンシロモドキ:
一般の蝶同様山が二つできるパターンを示した。
キョウチクトウスズメ は幼虫の出現率。 シンジュサンは、6月に1例成虫を確認。 (キイロヒトリガはキイロヒトリモドキの間違い)
【 追 記 】
アサギマダラのグラフを見ていて思った。アサギは秋に渡ってくることは今や一般常識。そして翌年の6月頃まで見られる。7月〜9月は0%。毎年そうだ。以前から気になっていたことがある。それは初見日に見るアサギが、ほとんど新品に近い状態で見つかること。渡り鳥同様遠距離を移動してきたのなら、もっとボロボロの状態であってもいいのではないか?ということ。夏期の0%は、全てのアサギが渡りきるのだろうか。それとも残ったアサギは死滅するのか。卵か幼虫で越夏することは、あり得ないことなのか。初見日に見るアサギは、越夏態が羽化したのではないかと、密かに思ったりなんかしている。爆発的に増えるのは、初見日の2〜3週間後。


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