マイ・フィールドの住人たち

新しい住人?
コノハチョウ
クロマダラソテツシジミ

コノハチョウ
(タテハチョウ科)前翅長48o内外

2007年8月16日晴れ、時々俄雨。気温30°
仕事で立ち寄った民家の入り口近く。目の前の木陰から蝶が飛び立つ。見極める間もなくすぐに藪際に飛び込んだ。『何?、いまの』。蛾だったかもしれない。とりあえず用事を済ませる。

気になって少し探してみたが見つからない。あきらめて車に乗って走り出しすと、数メートルほど離れたところから飛び立った。飛び方が特徴的でさっきのヤツに間違いない。
素早く、しそしてすぐに木陰に隠れる。やっぱり蛾か?。
車を降りて慎重に飛び込んだあたりへ歩き出すと、すぐに飛び立って今度は高い所にある木の葉の裏に止まった。
シルエットは縦長の三角形。体型はウスイロコノマっぽいが逆さに止まっている。双眼鏡を取り出し薄暗い藪の中を、もたつきながらなんとか視野に入れ、ピントを合わせる。
うそッ!。マジで!・・
あわててカメラに持ち替えてシャッターを切る。と、同時に藪の奥深くへ飛んでいってしまった。
そいつの羽根の裏には、葉脈の模様が・・・!

後日、写真を拡大してみると、羽根の裏に確かに葉脈の模様があった。
こいつは、
コノハチョウに違いない。
だとしたら、与論島で見るのは初めて、というか、コノハチョウを見ること自体、初めてなのだが・・・。

過去に記録があるかどうか定かではないが、手持ちの資料には生息地は沖永良部島、沖縄本島、伊平屋島、石垣島、西表島等となっている。
当日は台風8号がフィリピンの東にあり、8月にはいって6号、7号と沖縄の南海上を西へ移動していた。与論島は上記三島(沖永良部島、沖縄本島、伊平屋島)に囲まれている。台風の風に流されてきたことは十分考えられる。
もしかして人知れずひっそりと生息していたりして・・・。

クロマダラソテツシジミ(かも?)
(シジミチョウ科)前翅長15o内外
2007年10月16日晴れ 気温28°
畦道脇で戯れる数頭のシジミチョウ。生息環境からヤマトシジミが順当。
10月16日撮影
通常なら「ヤマトか」で終わるところ、そういえば新聞で、『南アジアに分布し本来日本には生息していない、ソテツなんとかシジミとか言うのが確認された』と言う記事があったのを思い出して、念のためにと近づいてみてみた。
ヤマトでないことはすぐに分かった。ヤマトの模様はほとんどが点々でできている。
こいつは太い波と棒状の模様があり尻尾がある。
既知の蝶ではオジロシジミやウラナミシジミがこんな感じだったと思うがよく分からない。とりあえず撮影。
後日手持ちの図鑑と照らし合わせたが、クロマダラソテツシジミとは模様が違う。こんなシジミは図鑑に載ってない。・・・新種かもー!
その後10月26日付の新聞に再び記事が載った。その写真を見ると模様の形や配置がよく似ている。やっぱり、こいつがそうかも!
手持ちの図鑑と模様が違うのが気になるが・・・。

11月2日 曇り 気温23°
斜面林沿いの道端でせわしなく飛び回るシジミがいた。

「 おっ、もしかして」。
カメラを取り出し撮影を試みるも、なかなか止まってくれない。止まってもこちらがちょっとでも動くとすぐに飛び立つ。結局撮れずに斜面林の上の方へ飛んでいってしまった。仕方なく他にないかと探していると、野バラの茎に止まっているシジミを見つけた。そーっと近づいて撮る。
このシジミ、何故か飛び立たないし動かない。近づいても、止まっている茎に触れても飛び立たない。南国育ちに(クロマダラなら)、23°は寒すぎるのか?。気になるのは、前回撮影したヤツとは模様が違うこと。でも、手持ちの図鑑で紹介されているクロ
マダラソテツシジミとそっくりなのである。
さあ、分からなくなったぞ!。

どっちが、クロマダラソテツシジミなのか、どっちもそうなのか、どっちもそうでないのか。はたまた模様に多様性があるのか。


この頃は、島の各所で見られる。
11月2日タイプのが多い。

こいつが、もしクロマダラソテツシジミなら、ほぼ全島に分布しているようだ。

左の写真2枚は11月13日に撮影したもの。
ソテツのまわりを数頭飛び回っていた。
幼虫らしき物が写っているのもあったが、写真を見て気が付いた。
仕事で移動中に見つけて撮影したので、その時は気が付かなかった。

先日のあの動かなかったヤツ、あれはもしかして、羽化直後だったのかも。

 

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