マイ・フィールドの住人たち


1998キオビエダシャク大発生観察日記

96年6月20日 :初見。
西区、イシズミパンタのあたりで飛び回っていた。古里でも1頭、確認。

97年10月22日 :十数頭の群れ。
内原の辺り。群れ初見。
*96年夏頃から単体での確認はあったが、群での確認は初。こいつら、出ると大発生!、なんだよな〜。
「8年毎に大発生する」、なんていう噂があったりして、気になっている蛾の一つ。

キオビエダシャク(成虫)
97年12月29日 :城地区、Sさん宅近くで1頭。

98年1月6日
:内原他、数ヶ所で群れ。
群れの規模は、数頭〜十数頭程度。
*十頭程のキオビが飛び交っている場所を発見。道路沿いをイヌマキで囲ったサトウキビ畑の辺り。
「ヤッバー!」とか思いつつ、どういう広がり方をするのか見てみたい。などと思ったりなんかして、ちょっと後ろめたい。平成2年(1990年)2月24日付けフィールドノートに、図入りで、「こんな蛾大発生!」。などとメモが残っていて、てことは、なんとなんと、噂の八年目「来ますよー、これは来ますよ!」。 「あの時(前回の大発生時)は、うちのイヌマキ全滅した」と知人が言った。

98年1月7日
:西区と辻宮で各1頭。
98年1月9日 :城地区、Oさんの牛舎の北側で数頭。
「イヌマキの害虫だって、知ってる人いるのかしら」。「教えた方がいいかなあ」。「キオビってぇ、わりかし綺麗だよね」。 「まあ、いっか」、蝶蛾好き御婦人との会話。で、黙って様子を見ることに。
写真撮ったりなんかして1
98年1月20日 :百合ヶ浜で大きな群れ。
クリスタルビーチ入り口付近。

98年2月11日 :立長で大きな群れ。
やっぱり来た!。立長、Dさん宅付近、数百頭以上の群れ乱舞。
群の規模は数十頭〜数百頭と大きくなっているが、群の生息場所は、まだ限定的。 それ意外では、単体でたまに見かける程度。

98年2月23〜3月31日
至る所で見られる。
すごい、すごい!。 大きい群れは、数百〜数千頭?。もっと?
*踏んずけられて死んでる奴とかもいたりして。来た来たー!て、感じで、ちょっと不謹慎?。


生物を観察する、つっても、素人には取っつきにくいし難しくてよく分からない。興味はあっても、何をどう観察すりゃいいのか・・・。だから、こういうド素人でもわかる顕著な異変、ていうか、現象みたいなものにぶつかると、心ときめくのは人情。被害に遇っていると感じている方には申し訳ないけど、楽しいんだからしょうがない。

98年4月8日
:内原地区多数乱舞(写真撮ったりなんかして1)
写真では、よく分からないが、ここには、おびただしい数のキオビが乱舞している。
幼虫
*サトウキビ畑の周囲に植えられた、樹高2〜3メートル位のイヌマキ100本ぐらいの列。 その周りで、まさに乱舞状態。

夕日を受けて黄色い輪っかがザワザワと・・・。幼虫もいた。い〜ぱいいた。こいつらが、イヌマキの葉を食いまくっているのだ。
群の中に入ると、パサパサという乾いた羽ばたきの音に包まれる。 すでに丸裸状態のイヌマキも数本(写真撮ったりなんかして2)。他のイヌマキも、ほとんどが上4分の1位は坊主状態。

近くで花を栽培している方が、「うちのは全部退治した。ここは全滅だね」と、笑った。「どうやったら退治できるか?」と、知人宅へ問い合わせがあったそう。
ただ、全体的には、島民の間ではそれほど気にはしていないようにも感じられる。 話題に上ることはあっても、何とかしなきゃ!、というような焦燥感はない。
農作物等に対し、直接的な害を及ぼしていないから?、かもしれない。
写真撮ったりなんかして2
98年4月9日 :古里、Hさん宅イヌマキ全滅
切り倒して全部燃やしたという家もあるとか。

98年4月20日 :産卵
イヌマキの樹皮の隙間に卵管を差し込んでいた。

98年4月27日 :立長地区、依然として大群乱舞状態。
立長のDさん宅付近。大群乱舞。
数百?、数千?、*万?、とにかくたくさん。

98年5月1日 :内原地区、イヌマキ全滅。
蜘蛛の糸の様なもので覆われている。(写真撮ったりなんかして3)。
なんだろう、これは?。
*幼虫が地面に降りるとき、お尻から糸を出してぶら下がって降りる。もし、この蜘蛛の巣状のものが、幼虫が蛹化、あるいは何らかの理由で地面に降りたときの糸だとすれば、恐ろしい数の幼虫が降りたことになる。それとも、違うヤツの仕業か?。・・・ 謎!。
写真撮ったりなんかして3

98年5月5日
幼虫、無数。
東区、Iさん宅裏のイヌマキ。
*枝を刺激すると、ザーッと、無数の幼虫が下がってくる。これはもう、鳥肌もの。
当然イヌマキの下は糞だ らけ。アスファルトが見えないくらい。集めてまけば、家庭菜園のいい肥料?。

98年5月26日 :立長、Hさんの農園のあたり。多数。
*小雨の中飛び回っているあたりは、やっぱり蛾。

98年6月22日 :幼虫多数。
西区、Tさん宅。
葉の無くなったイヌマキから降りて地面をウロウロ。餌を求 めて?。辺りに死体多数有り。餓死?。

*この頃は、葉のついたイヌマキを探すのが困難な状況。
初期の頃に全滅した(と思っていた)クリスタルビーチ辺りのイヌマキ に新芽が出始めた。

98年7月23日キオビ絶滅?
東区、Kさん宅のあたり、イヌマキの根本に幼虫の死体1個。成虫は見あたらない。
*あ〜そういえば、いつのまにかキオビ、いなくなった。絶滅した?。
いることがあまりにも当たり前過ぎて、注意が薄らいでいたかもしれない。いつのまにか居なくなっていた。 減っていく過程を注意して観察できなかったのは、非常に残念。


99年6月末 :立長のDさん宅付近で、数頭の群れを見つける。
その後、数十頭〜数百頭程度の群が発生したが、98年のような爆発的な大発生には至っていない。

***追記***

上記グラフの00年1月〜12月は0%。02年以降、確認はありません。なお、このグラフは出現率(出会う確率)なので、個体数の多さと数値の高さとは必ずしも一致しません。個体数は少なくても、広い範囲にパラパラと広がっていれば数値は高くなります。逆に大きな群れがあってもそれが局地的であれば数値は下がる傾向にあります。今回のキオビの場合は大発生の規模も、グラフの数値と一ほぼ致していました。


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