マイ・フィールドの住人たち
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1995年の発見以来、順調に増光してきたヘール・ボップ彗星が、
1997年春、地球に最も接近し、見頃を迎えた。予想光度が−1.8等と 非常に明るく、尾の長さも実長0.3AU、天球上の角度で7〜8度程度と 予想され、あのハレー彗星以上の天体ショーが期待された。 3月上旬、羽衣をまとった天女のような、艶やかで、セクシーな姿は、 与論島からも、見ることができた。 |
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ヘール・ボップ彗星 C/1995 01(Hale−Bopp
撮影 : 1997年 3月 6日〜11日 与論島 ![]() 3月9日の明け方、北東の空に昇ってきたヘール・ボップ彗星。 ![]() 3月6日から11日にかけて、はくちょう座から、その東にある、 とかげ座の尻尾を横切るかたちで移動した。 |
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3月6日 : はくちょう座と、とかげ座の境界あたり。
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春雨春霞、黄砂に花粉症、天候不順は早春の常。どっちつかずの天候にやきもき。好機中に一度は観ておきたい。観測好機(光度、最接近、天体への接近等)と、悪条件(高度、月明かり、天候等)が交錯して一喜一憂するのもまた、彗星観測の面白いところではある。 ![]() 3月上旬、たまたま晴れたその日、ヘール・ボップ彗星が絶好の位置に!。天文薄明開始時(東の空が太陽の影響を受け始める時間)の高度が20°前後とまずまずの位置。新月前後で、月明かりの影響は無い。そして肉眼でもはっきりそれと分かる明るさで、ヘール・ボップ彗星が輝いていた。 造化の神の最高傑作に巡り会うに相応しい、なんとも心憎いばかりの演出。望遠鏡の視野に入れる。 「わ〜ッ・・・絶句!」。 数十分後常用薄明開始、明るくなっていく北東の空にフェイドアウトするヘール・ボップ彗星。 また会えるだろうか。周期彗星への登録はまだ無い。 |