マイ・フィールドの住人たち



2015年 ラブジョイ彗星
C/2014Q2(Lovejoy)

オーストラリアの、ラブジョイ氏が2014年8月に発見した彗星。

2015年1月24日 午後10時26分 与論島


「ラブジョイ彗星が急速に増光している!」

そんな情報が入ってきたのは、12月に入ってすぐの頃。 発見時、14等級で、7等級まで明るくなるだろう、との予想。

どの程度増光しているのか気になったが、 あいにくの天候続き。

12月30日、「今日は何とかいけそう」、と見上げた空には、煌々と上弦の月。

それでも「もしかして」と、構えた双眼鏡の視野に、すぐにそれとわかる像が入ってきた。

6等級!?。この状況でこの見え方はすごい。今後期待できそう。1月上旬には3等級まで増光しそう、とか。

2014年12月30日の、ラブジョイ彗星 (与論島 午後9時頃)月齢:8.4
写真左:オリオン座の右上に上弦の月。 彗星位置 赤経:05h 13m 58s 赤偉:−22°02’04”

年が明けて、2015年1月。この時期にありがちな、はっきりしない天候が続く。

星見人には、なんともなやましい季節。たまに晴れても、シーイングが良くない。

霞か、雲か。霧か、煙霧か、それとも黄砂?。「 ほのぼのと、野山は
かすんで、なんか、初春的な風情・・・」

などと、風流人ぶってみたところで、だれも相手にしてくれない。いつもなら、そんなとこ。だが 今は、

そんなこと言ってる場合ではない。3等級まで増光しているかもしれない彗星が、すぐそこまで来ている。はずなのだ。

1月7日には、地球に0.47AUまで接近し、そのころ3等級まで増光しそう、とか。近日点通過が、1月30日。

と言うことで、1月上旬から2月中旬あたりが、見頃らしい。

1月9日。雲の切れ間に姿を見せたラブジョイ彗星。雲が白いのは、月明かりのせい。

1月9日、見頃を迎えても、すっきりしない天候が続くなか、まあまあいけそうになってきた。

東の空には、満月を過ぎたばかりのお月様。高速で飛び交う雲の切れ間にオリオン座や、

おうし座の1等星、アルデバランが見え隠れしている。

双眼鏡を向けると、ぼんやりとした丸い核が見えた。かすかに尾が伸びているのがわかる。

位置がわかれば、肉眼でもすぐにわかるほどに明るくなっている。


1月11日、6等級程度。月の影響も減り、条件は良くなってきたが、靄のせいで、肉眼ではやや見づらい。

双眼鏡だと、大きくなった丸い核と、細長く伸びた尾が確認できる。見応えのある彗星になってきた。


1月11日のラブジョイ彗星の位置 赤経:03h 51m 43s 赤偉:+6°18’11”

1月24日。近日点通過が近づくにつれて、尾の勢いが強くなったのがわかる。

1月24日の彗星 赤経:02h 44m 10s 赤偉:+30°59’01”

2013年暮れに大彗星になるのではと期待されていた、アイソン彗星は、11月29日に近日点を通過した際、核が分裂

して崩壊、氷が昇華してしまい、予想していたような、長く明るい尾を見せることはなく、世界中の人たちを落胆させた。

(研究者にとっては、それはそれで貴重な経験だったそうなのだが。)

それもあって、今回のラブジョイ彗星は、条件は良くなかったが、それなりに楽しませてくれた。


2月に入って、彗星は、アンドロメダ座とペルセウス座の間を抜け、足早に遠ざかっていった。


2月10日 赤経:01h 55m 13s 赤偉:+45°11’46”


2月20日 赤経:01h 39m 54s 赤偉:+51°19’19”

この彗星は、周期が1万1300年ほどで、以前にも何度か太陽近傍にやって来ていたらしい、とのこと。

次回は、約7800年後に再び太陽近傍に戻ってきて、また、似たような活動を見せてくれるだろう、だそうです。