マイ・フィールドの住人たち


2009年7月22日の日食
与論島 部分日食

[2009年7月22日の皆既日食]

たった1°(緯度)の差で、与論島では、皆既日食は観ることができませんでした。
それでも、食の最大時およそ0.95は、まずまずの観望。

食の最大時頃(10字56分頃)、蝕分はおよそ0.95

日食開始前から鱗雲(うろこぐも)が拡がるあいにくの曇り空。

かえってそれが、幻想的な雰囲気を醸した、かも知れない。

欠けた太陽を見た瞬間、「おーっ」と思わず声が出た。子供たちの歓声が聞こえてくる。

雲間に見え隠れしつつ欠けていく太陽。食が進むに連れ、雲が濃くなる。
1°北は、雨。皆既日食の観望は絶望的、と報じられている。

あと少し、あと少し、「ガンバレ」。

厚い雲は次第に拡散し、変わって絹層雲(うす雲)が全天を覆う。そしてなんと、雲の暈(かさ)が現れた。
それだけでも珍しいのに、その中心には、欠けた太陽。まるで演出されたかのような光景。

暈の輪っかを飛行機雲が横切る。その影が絹層雲に落ちる。

夏休みに入ったばかりの与論島の子供たちへの、天からの贈り物?。
食の最大時には、蝉が泣きやみ、ひんやりとした風につつまれた。夕暮れ時でもなく、夜明け前の暗さとも違う、不思議な陰りを体感した。

↑絹層雲に覆われ、太陽を中心に暈(かさ)ができた。暈を横切る飛行機雲と影。暈の中心には欠けた太陽が。
←日食が始まった頃の空。鱗雲が拡がり、次第に曇っていった。


右下2枚は、フィルターでは明るすぎて撮影できなかったため、代わりに下敷きを使用して撮影。


【連続写真(合成)】

左下から始まって右上で終わりです。

おおよその時間と蝕分は以下の通りです。

右上から

12時12分頃(0.11)

11時38分頃 (0.51)

11時10分頃 (0.87)

11時04分頃 (0.93)

10字55分頃 (0.95)

10時48分頃 (0.91)

10時33分頃 (0.72)

10時09分頃 (0.45)

09時37分頃 (0.02)

日食とは、辞典には次のような説明がありました。

皆既日食:月の本影が地球にとどくとき、その本影内の地域では見かけの大きさが月の方が大きくなり、太陽の全面を月がかくすので皆既日食となる。
奄美大島北部から種子島の南部の範囲がこの条件に当てはまります。

金環食:月の本影が地球にとどかないとき、その延長上地球では見かけの大きさが月の方が小さくなるので太陽面の中に月が入って金環食となる。


部分食:月の半影が地球に落ちる地域では、太陽光球面の一部が月によってかくされるので部分食という。
今回、与論島はこの条件に当てはまるので、部分食になりました。

その時の太陽の視半径:944”.6
月の視半径:1019”.6
月の方が太陽より見かけの大きさが、約1.08倍大きくなっています。
この倍率で日食の写真に満月の写真を重ねると、こんな感じになりました。

参考資料:「天文年間2009」


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